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6月の文芸新刊について


6.10 発売予定


「それでも、夜をこえて」講談社


Xでプルーフを読んでくださる方、募集中



公式の紹介文では、こんなふうに綴っていただきました

サグラダ・ファミリアのように未完な人生を肯定する自己再生のオムニバスロマン

 暗闇を光に変える、魂の巡礼記



全編書き下ろしです

読切4作

スペインが舞台ですが、登場人物の大半は日本人。



第1話「秘密のパティオ」

漫画家の葉月は、連載打ち切りの危機の上に住むところなし。

窮地に追いやられ、認知症の老婦人と暮らすことに。

コルドバのパティオ祭りのわずかな時間ではあったけれど……


第2話「バレンシアの灰」

自他ともに認めるどうしようもないクズ男。

そんな彼がバレンシアの火祭りで

ズタボロになったときに出会ったのは……


第3話「裸足のペテネーラ」

不幸を呼ぶ女と呼ばれる美鶴と闘牛士との破滅的な愛の行方は……


第4話「蒼の巡礼」

夢を捨てて観光ガイドとして生きる竜斗は、

牛追い祭りの日、幼なじみのセバスティアンと再会する。

互いに異邦人としてスペインに居場所がなかった二人の孤独と切ない夢とは……



テーマは担当編集さんからのコメントを読んでいただくのが一番かと

自分のやりたいこと、大切にしたいこと。そして、周りからの期待やしがらみ。

「愛」と呼ばれるものが時に「呪い」へと姿を変えるこの世界で、私たちはどう生きていくべきか。

諦めても、すべてを振り切っても、自分の人生を自らの意思で選ぶことには、大きな痛みが伴います。 それでも、勇気を持って「選択」した 4 人がたどり着いたのは、 サグラダ・ファミリアのように未完のまま光り輝く、自分自身の姿でした。

 たとえ神様に選ばれなくても、私たちは自分の足で明日を踏みしめなければなりません。 本作を読み終えたとき、自身のこれまでの「七転八倒」さえも誇らしく思える――。

この作品が、暗い夜をこえて歩き出すための、一筋の光となることを願っています





以前に雑誌に掲載していただいた文芸作品も電子で読めるので良かったら






ちょっとだけ裏話


実は、

当初、別の話を執筆していました。

でもいろいろあっていったんそちらを寝かせて、このお話を仕上げることに。


スペインが舞台なので初稿は記憶を掘り起こして書いた感じです。

出版のOKをいただいたあと「やっぱり現地でもう一度確認したい」という思いに駆られ、昨夏、渡欧を。

 

南フランスとスペイン。

 

Xでも写真を紹介したりしていましたが、現地へ行ってみると、いろいろな思いが出てきてしまって……。

担当さんに「書き直していいですか?」とメールを送ったのは、この作品のクライマックスに出てくるエステーリャという街にいたとき。

「星が降る」という意味の名前を持つ、星の綺麗な、そしてとても静かな街。

物語の大切なところで登場するので、読んでいただけたら嬉しいです。

 

 

たまに……いったん小説を書き上げたあと、その場所をもう一度旅することがありますが、その時々で見えてくるもの、経験することがまた違っていて……。


「ああ、あそこはこうしたい」「ここはこうした方が」と、自分の書いた世界を確かめるように歩き続けるとちょっと不思議な感覚になることがあって……うまく言えないんですけど、それがすごく好きだったりします。


それこそこのお話のテーマの一つでもある巡礼者のように。

あ、巡礼といっても宗教的な意味ではなくて。

でも巡礼路には、ご縁があって、1996年から何度スペインへ行ったか……数えたことはありませんが、その度、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの路のどこかしらに足を運んでいる気がします。

多くの出会いがあり、今もつながっている人、すれ違うだけだった人。

いろんな人と語り、再会する中で見えてくるものがある……。

私の旅は、まさに巡礼なのかもしれないな、と思ったり、誰の人生であってもそうかもしれないのかなと思ったり。目的地にたどり着くことより、そこに至る道のりそのものに本質がある……という感じで。

サグラダ・ファミリアの存在も、どこかそれに通じるものがありますよね?


 

すごく内面的なことですが、

コロナ禍、大事なわんこたちがいなくなってから、定期的にめまいに悩まされるようになったり、身内のことでいろいろあったり、けっこうメンタルギリギリの状態で、

「もう小説が書けなくなるかも?」「やめて別の人生を生きようか?」「でも小説を書かない人生って?」――と想像しただけで頭が真っ白になって。

この先、どうやって生きていけばいいのか……と、どん底を這っていた私を救ってくれたのがこの小説でした。救ってくれただけでなく、書いている間、たまらない幸福感も(正確には、先に書いていた別作品も含めて、なのですが)

 

私にとってはBLも文芸もそうなんだなと改めて実感しました。

今回の本はそんな思いのまま、丁寧に時間をかけて、精一杯書いた一冊です。

 どなたかのお心に届きますように🙏


旅の写真↓













 
 
 

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